温泉旅行と知多半島ランチ

温泉旅行と知多半島ランチをつづります。何故か料金を度々間違えられる、そんな星の下に生まれた女

サンタの落し物

クリスマスになると必ず、実家の犬との出会いを思い出す。
我が家の犬「タバサ」はまさにクリスマスの夜、ペットショップの前に捨てられた。
なにも、よりにもよってこんな日に。
女の子だから貰い手がなかったのか?たった一匹で捨てられた。
それでも雑種、生来の強さで夜を乗り切り、朝、店のシャッターを開けてる
店長の足にまとわりついた。

ペットショップというのは、よく捨て犬捨て猫の場所に選ばれるらしい。
たいがい、耳ダニや皮膚病もちの犬が多いので、うっかりさわりでもして、
店の売り物の動物たちにうつしでもしたら大変だ。
いつものように足で蹴飛ばし裏の川にでも落とそうと思ったが、顔を見ると
ことの外、可愛い。
生来の美貌で店長に拾い上げられた、彼女はまだ生まれて一ヶ月もたってなかった。
その店長の知り合いであったその時の私はといえば、8年前に犬を亡くしてもう飼いたくないと思っていたのだが、私の小指の先ほどしかない彼女の足の小ささに魅せられて飼う事を決心した。

すっかり家族の一員である彼女が、居なくなってしまったのは、今年の春。
散歩途中で猫を追いかけて、母の持っていた散歩紐をひきずったまま、いなくなった。
スーパーやコンビニ、はてはお寿司やさんまでハリガミさせてもらって、探した。
諦めかけた時に、野犬が沢山出るという所に行って、彼女の名前を叫んでいた母が
植木の手入れをされていたご老人に写真をみせたところ、
「むう、この犬なら知っている。」といわれた、
なんと、ご老人の奥さんが勤めてらっしゃる温泉クリニックに住み着いているという。
この場所は家から遠いところで、探し回った範囲には入っていなかった。
行ってみると、母に年恰好の似た「わかこさん」という方に可愛がられていた。
タバサは生来の美貌に加えて、何かもらう時はお座りしてお手をするという芸をもっているので、その芸が「わかこさん」にはグッと来たらしい。
母が呼ぶと逃げかけたタバサが駆け戻ってきて、顔中舐めまわしたらしい。
3ヶ月もさまよっていた彼女は、どんな気持ちだったんだろうか?

とにかく、即病院に連れて行かれ検査され、何処も異常がなかった。
やっぱり、雑種は強い。
そんな彼女も、12歳になった。