温泉旅行と知多半島ランチ

温泉旅行と知多半島ランチをつづります。何故か料金を度々間違えられる、そんな星の下に生まれた女

謎のよだれ事件(後編)

わたしは、この45年間の永きにわたり、培ってきた知識をフル回転させて
「透明でねばねばした液体」について、思いを巡らせた。
世の中に「ねばねばした液体」はかずかず有れど、「透明」となると
家庭内で発見するのは難しい。
「接着剤(ボンド・のり)」「シュガーカット液状」「ガムシロップ」「整髪用ジェル」
そして、「よだれ」位だろう。
なんと言うことだ、我が家には「のり」と「よだれ」しか存在しないではないか?
これでは、振り出しに戻ってしまった。
ただの大喰らいのオバサンは、脳細胞が枯渇してしまったのか?

その時!「キッラーーーン」と神の啓示が・・・。
あの液体があそこに落ちたのは、水曜日の夜から木曜の朝にかけてである。
そうだ!そうだったのか!

   ♂さざえプロファイリング♀
犯人は、倹約家、せっかち、粗雑、そして水曜日の夜、髪の毛を洗った。
                     
犯人は、水曜日の夜、風呂場で髪の毛を洗った。
愛用の「馬のシャンプー」と「馬のコンディショナー」。
ところが、「コンディショナー」が無くなってしまっていた。
倹約家の犯人は、すかさず、ボトルのふたを外し、お湯を中に投入、シェイクシェイクして
いい感じに泡立った液体を頭の上から「ドローン」と掛け、なおかつ頭に叩きつけるようにボトルを振り、一滴も残すまいとした。
ふたが取れたままの状態のボトルは、犯人の足元近くに置かれた。
その時シャワーの水が、少量入ってしまった事に気付かず・・・。
風呂から上がりざまに、洗面所の木製の大きなゴミ箱にふたとボトルを別々にしたまま、投げ捨てた。

せっかちな犯人は、風呂に入った後にもかかわらず、木曜日の「燃えるゴミの日」が気になっていた。
「今日できることは今日する。」これがモットーなのだ。
家中のゴミ袋を回収して回る。
風呂場のゴミ箱に到着した時には、左手に袋を3つ持っていた。
粗雑な犯人は、右手のみでゴミ袋を取ろうとした、その時袋の中の固い物がひっかかり、袋ごとゴミ箱が傾いた。
「透明でねばねばした液体」が、床にこぼれ落ちた。

「ああ、わたしが犯人さ。」

事の顛末を、旦那に話す、
旦那「オレは、冤罪だ!」 だからそうだって言ってんじゃん。
「いつだって、オレは冤罪なんだーーーー。」 過去の罪までも便乗して、闇に葬ろうとする。

敏腕探偵には新たな依頼が舞い込む、
「今度は、21世紀の裕次郎の行方でも、探してもらおうか。」
「やだ。」