温泉旅行と知多半島ランチ

温泉旅行と知多半島ランチをつづります。何故か料金を度々間違えられる、そんな星の下に生まれた女

あんたの狙いは解かっているのよー

きのう夕方5時頃、インターホンが鳴った。
「はい。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「はい?」
「奥さん、☆☆ですけど・・・。」

こ、怖い。最初に何にも言わない所が怖い。
もちろん、お隣の奥さんだー。
もう、頭の中が妄想でいっぱいになっていたので、奥さんが来ただけで、震えてきた。
あっ、きっと町会費持って来てくれたのね。
気を取り直して、出て見る。

「奥さん、3日くらい前にここで大きな声で話してたでしょ?」
がーん。一昨日と同じ出だしじゃ〜ん。
「あのー、一昨日も言いましたけど、郵便局のオジサンが
書き留め持ってきてくれただけなんですけど・・・・。」
「なんか、郵便局の人に言ってたでしょ?」
「はあ・・・・・お世話様でした。って言いましたけど。」
「ああそう。うち、エアコンの穴からよく聞こえるんですよね。」
「はあ。別に何もなかったんですけど・・・。」
「そう・・・。」
「あの奥さん、町会費・・・。」
「ああ、町会費ね。はい、1万円。」
「あう、1万円ですか!?」
「細かいのないから」
「はあ・・・。」

まさか、2日も待たせて1万円札持って来るとは思わんかったぜぃ。
「じゃ、ちょっと待ってください、今持ってきますから。」
と領収書を渡した。
が、まだ、一万円札をもらっていない。
ここで、もらわずに奥に入ってしまって、戻ってきたら、
「さっき、一万円渡したわよ。」と言われたら困る。(思考時間0,3秒)
猜疑心のカタマリと化していた私は、
「じゃあ、一万円いただいてー。」とお札をすばやく受け取った。う、うまくいった。
これで、とりぱっぐれはなくなったよー。ホッ。

奥に入って震える手で8千600円かき集めた。
その間も彼女が玄関から入ってくるんじゃないかと、気が気でない。
なにせ、何度も言うようだが、猜疑心と妄想でいっぱいいっぱいだったのだ。

玄関外に出て、おつりを渡し、安堵の胸をなでおろすと、

「ちょっと悪いんですけど、一緒に聞いてもらえないかしら?」
「へ?(何を?)」
「エアコンの穴から音を・・・。」
「あぅっ」

きたっー、ついにきたー!
私を部屋に入れようとしている・・・。
きゃー
絶対ダメよ!さざえ!これは罠よ。罠なのよー。
ついに、悪魔が大きな口を開けて、今まさに私を落とし穴に落とそうとしてるのよー。
私を部屋に引き込んで、その後
「指輪(またはお金)が無くなったー!」
っていうつもりなのね。(思考時間0,6秒)
お隣の部屋には入った事ないっていうのが、私の最後の砦なんだから、ここだけは死守するのよー。

「あうあう、私はあの素人なので、わからないし・・・。」
「・・・・・」
「・・・管理会社に見てもらったら?」
「言ったんだけど、ダメなのよ。」
「私じゃもっとわからないし・・・。御主人に見てもらったら?」
「主人は、☆☆(一戸建ての方の家)に行ってるんです。」
「聞くって言っても、今何の音もしてないし、何も聞こえませんよ。」
「このドア開きませんよね?」
全然人の話聞いてないし。

「・・・・」
「私、出かけたいんだけど大家さんも管理会社もこのカギ持ってるし。」
「(大家さんを疑るか?!)大家さんは入ったりしないんじゃないですか?
大金持ちだし、そんな事しても何にも得にならないし・・・。御宅ここに越されてもう長いんでしょ?」
「6年よ。」
「(住んでる年数はちゃんと憶えてるみたい。)最初の頃ならなんだけど、
もう6年もいて、大家さんが最近になって、そういうことするってことないんじゃないですか?
それに御宅だけ狙うって事も・・・。」
「このマンション2回も泥棒入った事あるんですよ。」
「はあ、それで、カギを2つに増やしたんですよね。」

「やっぱり、他人(たにん)に言ってもしょうがないですね。わかりました。すみません。」
「(他人?!失礼な言い方)はあ、すみませ〜ん。」

だいたい、エアコンの穴から声が聞こえる事と、物を盗まれる事とどういう関係があるって言うのかしら?

毅然としてないとつけこまれそうで怖かった。震えがしばらく止まらなかった。
とにかく、今回の町会費はもらえてよかったー。
んが、2ヶ月後に症状が進行してたらどうしよう。
「盗まれた。」っていう話にこれから何回付き合わされるんだろう。
もう、インターホンに出るのよそうか?