温泉旅行と知多半島ランチ

温泉旅行と知多半島ランチをつづります。何故か料金を度々間違えられる、そんな星の下に生まれた女

私小説・白い絹の花 その2

非情な先生は
「さぁ、蚕さんを返してー。」と
わたくしとカイコをあっさり引き裂いたのです。

それから数日、わたしはカイコの行く末を案じておりましたが、
もう二度と逢うすべも無い事はわかっておりました。
先生が、すべてご自分のお家に持って帰ってしまわれたのでございます。
私は、裸の先生が多くの蚕の中に埋もれ、
歓喜の涙を流す姿を想像し嫉妬いたしました。
のちに、蚕は糸を吐き出し繭をつくりました。
先生は、それを熱湯に入れ煮て、
美しい絹糸を紡いだのだそうでございます。
わたくしが、わたくしのカイコを殺した先生を
密かに憎んだのは言うまでもございませんが、
いつかは蛾になる運命、
繭を作ってしまった時点でわたくしのカイコは
もう、あのカイコではなかったのだと諦めるしかございません。

たった、数十分の逢瀬ではございましたが、
それからの数十年の歳月にも
あの時の衝撃はひとつも色あせることはないのでございます。
そして、わたくしのカイコに対する愛おしさも、今もなお変わらず
心の中に白い絹のような花を咲かせ続けているのでございます。

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きょうは、小説風にしてみました。
異様な雰囲気をかもし出せましたでしょうか?
すべて、本当の事です。

きょうのお昼、「ごきげんよう」を見ていたら
女優の五十嵐めぐみが
「蚕を飼った事があって、その可愛らしさに徐々に愛しくなった。」
と言っていました。

「やっぱり? わたしだけじゃなかったんだわ。 
わたしだけ異常かと思った。」
と、理解してもらえる人が居るのを知ってとてもうれしかったです。
五十嵐めぐみのファンになってしまいました。