一週間も誰も居なかった、実家のドアを開けると、重い空気がドヨ〜ンと垂れ込めていた。
嫌な予感・・・
台所に行ってみると、そこには凄惨な光景が!
飲みかけのシジミの味噌汁。鍋に残ったシジミの味噌汁。
茶色の半分融けた物体(後になって白菜と判明)。
真っ黒い虫の死骸20匹分(後になって茹でたソラマメと判明)。
ジャーの中の青カビご飯。などなど。
それらにはことごとく、小さなハエや、もっと小さな羽虫が何百匹と湧いていた。
捨てるために動かすと、ぶわっと飛び立つ。
世の中に、腐ったシジミの味噌汁の臭いを嗅いだ人間が何人くらい居るだろう?
たぶん、そんなに居ないだろう。
わたしはきょう、その少数派の仲間に入ってしまった。
この世の物とは思えない臭いで、何度もオエェェとなってしまった。
シジミの味噌汁が嫌いになりそう。
更に、よくみると冷蔵庫の野菜室の引き出しがちょっとだけ開いていた。
中を見ると、水浸し。
野菜もしおれたり融けたりしていて全滅。
乾物などの引き出しも水浸し。
切干大根など全滅。
エエイ!この際全部捨ててしまえ!きー。
あまりに恐ろしい内容物のゴミ袋が2つ完成。
明日のゴミの日が待ち遠しい。
取りあえず、門の手前に置く。
猫もカラスもこの袋に手を出す、勇気はあるまい。
しかし、何故こんなことになってしまったのか?
病院に行くのをしぶっていた母をTELで説得し、
「取りあえず、入院できる用意をして、行くのよ。」と言ったのに、
母は「入院なんてことにはならないわ。」と勝手に思っていたらしい。
頭の方も正常ではなかったのだろうとは思うが。あんまりだ。
結局即入院となってしまったので、身の回りの物などすべてお隣の奥さんと看護婦さんがそろえてくれたらしい。
自分でそろえて行けば皆に迷惑かけなかったのに、と思うと、またまた頭に来る。
さっき先生にも言われた。
「お母さんは、人の話を聞いていないみたい。」
「病気のせいですか?」
「いいや、やっぱり性格じゃないでしょうか?」
足元が危ないので、歩く時は必ず看護婦さんに付き添ってもらうように、と何度も言われたのに、絶対に呼ばないらしい。
母は母で「忙しいのに悪いから・・・」というが
看護婦さんは「万が一怪我されても、言う事を聞いてもらえない以上、了承していただきます。」等とかなりお怒りのご様子。
とにかく、人の言う事を聞くという約束を取り付けなければ、と思う。
車庫の母の車を見ると、左後部をぶつけた状態で停めてある。
もう、車の運転はさせないようにするしかない。
これ以上、他人に迷惑かけるようなことになったら大変だ。