自虐の詩。
阿倍寛・中谷美紀主演で「トリック」の堤監督が映画にするらしい。
イサオと幸江の物語。
主人公2人は、少しずつ若くなっていく。
連載漫画にはよくありがちな流れなんだけど
話の進行とともに、作者の目指す所が変貌し
主人公達も変貌をとげる。
私の独断と偏見だと、
1頁目では、中年の女がつまらない男にひっかかり
2人で駆け落ちした、という風情なんだけど
ページをくるにつれ、
深い深い愛の真理へとのぼりつめていく2人の姿が
まるであぶり出しのように出現してくる。
「人って悲しいな〜そやけど〜人ってあったかいもんやおまへんか〜」
いや、違った。
これは 「大阪ハムレット」 に 私から捧げたフレーズだった。
「自虐の詩」 は東京が舞台だけど
作者の目指す高みは、同じだと思う。
「愛とはなんぞや! 人間とはなんぞや!」
そのひとつの答えがここにある、かも知れませんぜ、奥さん。
「新・自虐の詩」(人間並みのロボットが普及した時代が舞台)
も連載が始まったのだが、
私はこちらの「新」の方が、「悲しく」 ないだけ、好きだ。
いや、やっぱり 「悲しい」 かな?